T.クリシュナマチャリア先生のお話し

近代ヨガの父、と云われる人をご存知ですか?

近代の2代ヨガと云われたアシュタンガヨガとアイアンガーヨガの創始者2人の大元には、一人の偉大な師がいました。

その人の名をクリシュナマチャリヤ、といいます。

彼の元に立ち返り、古代から伝わるヨガとは何か、触れて、感じ、学んでいく「クラシカルヨガとヨーガスートラ講座」が、ヨガセラピスト協会の養成講座として、開講されています。


2018年8月11日に、静岡県沼津市にて、「聖なる呼吸~ヨガのルーツに出会う旅」の映画上映がありました。

当協会代表理事の宮原暁子先生より、保科恵の元へ届いた一通のメッセージ。


ヨガに触れているみなさまにはぜひ知っていただきたい、大先生のご紹介文です。

僭越ながら、映画上映前に拝読させていただきました。


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ティルマライ・クリシュナマチャリヤ先生は、追究の人、使命の人でした。



産まれは、1888年。9世紀に現れたヴィシュヌ派の聖人であり、指導者として有名なナタムニ先生の子孫として生まれました。


ご自身のお父さまがインド最大最古の経典、ヴェーダの先生であったこともあり、小さい頃からヴェーダの詠唱、ヨガのポーズや呼吸法の練習をされ、またその後も、ひいお爺様が司祭であり教育をされているヴィシュヌ派最大のセンターにて、サンスクリット語の文法やヨガ哲学を別の角度から深めたともいえるヴェーダーンタ哲学などを学び、直ぐに教授や学者たちと議論を交わすまでになられました。



そんなクリシュナマチャリヤ先生ですが、16歳の時、ご先祖さまであるナタムニ先生が、夢の中でご自身の前に顕現され、失われたと誰しもが思っていたナタムニ先生ご自身のご著書、『ヨーガ・ラッシャ』の内容を全て伝えられる、というご経験をされています。


その内容は、どの様にヨガを、異なるライフステージに合わせ適用させるか、女性、特に妊婦さんにとってのヨガの重要性、また、癒しとしてのヨガの役割、など多岐にわたるものでした。



その衝撃は如何程だったでしょう。1000年以上も昔のご先祖様のご著書の復刻、という使命を、自分の役割として与えられた、ということ。



ただ、16歳の自身にとってその事を証明する、のは容易い事では無い、と悟られ、クリシュナマチャリア先生は直ぐに知識を確立し信頼を得るべく勉学に更に勤しみ当時驚異の速さで教授になれるだけの試験をクリアしました。


その試験を合格し、教授にならない人はいない時代でしたが、彼はインドの教えはとても深く、全ての教えがつながりあっている為、もっと学ぼう、と、全ての時間を更なる学びに費やされました。


マイソールとインド最大の聖なる街、そして主な学者や知識人が学問を続ける街とされるヴァラナシの各学問機関で、幾つものタイトルを取得し、試験をクリアし講義も始めていたクリシュナマチャリア先生は、その州の王さまに政府の仕事も頼まれたりもしましたが、今度はヨガチャラになりたい、つまりヨガをマスターをしたい、ヨーガ・スートラのマスターをしたい、という気持ちが湧き上がり、1916年、彼が28歳の時、偉大なヨガマスターに出逢うべく、丁重に辞退し、大学や鉄道会社や英国総督の助けを得て、ヒマラヤを超えインドを出てチベットに向かいました。



その道のりは遥か遠く、クリシュナマチャリア先生のお弟子さんでもある、世界的に有名なアシュタンガヨガの開祖、パタビジョイス氏も、「あんな長旅は誰もできる事では無い。彼の決意だけが彼をグル、師匠の元に導いた。」と尊敬の念から涙ながらに語られたほどです。



ヒマラヤ山脈カイラス山の麓でヨガの師匠を遂に見つけました。

洞窟の前でとても穏やかな表情の隠者を見た時、直ぐに、彼こそ自分の師匠、と気がついたそうです。


クリシュナマチャリア先生はその隠者に教えを請い、そして8日間にも渡るテストの末、家族として受け入れられ、それから7年半もの間、ラマ・モハナ・ブラフマチャリ師匠の元、ヨーガ・スートラや『ヨーガ・クランタ』他、ヨガの重要なテキストを学んだのでした。


といっても、そこには、印刷された本やノート、勿論コンピューターなどもなく、全て、暗記する形です。『ヨーガ・クランタ』は、ヨガのポーズ、アーサナや、呼吸法、プラナヤーマをどの様に異なる個人のニーズに当てはめるのか、また、どの様にプロップスなどを使い癒すのか、などが書かれており、現在のアシュタンガヨガの元になりました。


また、アーサナやプラナヤーマに留まらず、”チキッサ”、セラピー方法、も学びました。



7年半が過ぎようとした頃、ラマ・モハナ・ブラフマチャリ師匠に言われました。

「もうあなたは十分に成長した。社会に戻り、結婚をし、ヨガのメッセージを広げなさい。それが”グル・ダクシナ”、私があなたに教えたことに対して、私があなたに望むことです。」と。



クリシュナマチャリア先生はお土産に師匠のサンダルをもらって帰りました。

それは、師匠を思い出させ、また、師匠や教えに対しての謙虚さ、も、もたらしてくれるものです。


そしてクリシュナマチャリア先生は生涯その事を一度も忘れたことはなく、毎日毎日、仕事の前、朝の儀式の後、サンダルに謹んでおでこをつけられました。

それは、謙虚な行為であると共に、師匠との掛け替えのない時間を大事にする行為でもあったのです。



これからクリシュナマチャリア先生から始まって、そのお弟子さんでもある、お2人の偉大なヨガチャラ、ヨガマスターのお話を見ると思いますが、その大元のクリシュナマチャリア先生のバックグラウンドをご紹介させて頂きました。

どうか、何千年もの時を超えて、深い深い人と人との繋がり、愛情や想いと共に伝えられてきているヨガと、皆さまとのご縁に、祝福、恵がありますように。


今日も皆さまにとって素敵な1日でありますように。

私も自身の幸せを噛み締め、残りの時間を過ごさせて頂きます!

Namaste!


よがのひとAKiko

YOGADAYS Ayuresort

わたしは、わたしのままでいい。 自信を持ち、毎日を充実して過ごすための、心と身体を癒し、自身を労わっていく温活サロン